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チクセントミハイの教え
自分の学歴と相手の学歴を比べて
自分が上で相手が下だと思ったり、あるいはその逆であったり
自分と相手の容姿を無意識のうちに比べてしまったり
などなど。
このように他人と比較をしてしまう
という悩みについて哲学者であり心理学者である
チクセントミハイの考えを紹介します。
他人と比べるのをやめるには「フロー体験」を!
まず結論から述べると
チクセントミハイの主張は
他人と比較して落ち込むことをやめるには
フロー体験をしましょう!
というものです。
このフロー体験とは何かは後ほど説明します。
「どうしたら人生を幸せなものにできるか」
という問題に生涯をかけて挑んだチクセントミハイは
人が生きていることを実感し、自己肯定感を感じるのは
チャレンジとスキルの
バランスが取れている時だ
という考えに到達します。
この
「チャレンジとスキルのバランスが取れている」
というのはつまり
できないかもしれないこと
と
絶対にできること
の間にあることを指します。
そしてこのような作業に没頭する状態が
チクセントミハイが提唱する
フロー体験
なるものです。
「フロー体験」=周りを意識しなくてよくなる
このフロー体験では
人は時間の流れを忘れて没頭します。
さらに自分が持っている能力を
限界まで引き出すことになるので
他人など他のことへの関心が湧かなくてすみます。
そしてこののめり込みから
静かな高揚感と
幸福を味わう
というのです。
その結果日々フロー体験ができている人は
その人自身の内部が肯定感や有能感で満たされ
そもそも他人と比べる事が気にもならないし
必要でもなくなります。
またフロー体験とは他人の存在だけでなく
自分の存在すらも忘れられるような状態であり
チクセントミハイ自身
集中して取り組むべき何かを
やり遂げている時は
同時に自分の存在を感じるほどの
注意力は残っていない
と言っています。
比較してしまう原因
それでは次に
比較をしてしまう原因
について解説します。
優越コンプレックスの存在
一般的に問題にされるのは
他人と自分を比べた結果として
劣等感を感じてしまう場合
ですが、ここで強調したいのは比較により
優越感を感じてしまう場合
です。
比較による劣等感を
「劣等コンプレックス」
というのに対して
比較による優越感を
「優越コンプレックス」
といいます。
そして優越コンプレックスも
同じ劣等感情の裏返しである
という事が重要です。
つまり優越コンプレックスも
自分の優秀さや自分が恵まれていることの
拠り所を求めているという点において
同じ劣等感
であることに変わりがないわけです。
人間が自分は有能な存在であると
思いたがるのは至って健全です。
しかしそれらが他人との比較で行われる時
不健全な歪みが生じてしまうというわけです。
過去の「である」への固執が原因
これを考えるにあたり
戦後日本を代表する知識人である
丸山真男の考えを紹介します。
彼は社会のあり方には2種類ある
と考えました。
その2つとは
- 『である』ことを重視する社会
- 『する』ことを重視する社会
です。
これは前者が
「〇〇社の正社員であるAくん」
「〇〇大卒であるBさん」
などのステイタス・状態(「である」)を重視するのに対し
後者は、その人が
「今何をしているか」
というパフォーマンス・行動(「する」)が重視されます。
そしてこれらは人間一人一人のあり方にも当てはまります。
「である」ことに固執する限りは
人のステイタスを比べることでしか
自分が有能だと感じる術はありません。
それ故に他人との比較から抜け出したいのなら
その人のステイタスに注目し「である」を意識するのではなく
「する」ことに注目することを心がけ
実際にフロー体験をしなければなりません。
つまり他人と比較をしてしまう原因は
フロー体験のような経験を
「する」ことによって
生きている手応えや
有能間を感じるべきところをそのような体験を長らくしていないために
過去に獲得した「である」という
ステイタスに固執することである
と言えます。
なので他人との比較をやめるためには
できないかもしれないこと
と
絶対にできること
の間にある課題に集中して取り組むことを心がけ
フロー体験をするといいでしょう。
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